惰眠猫の寝言

(心の哲学、ヒト、アニメ、小説 など)

小説『ハーモニー』感想(V=0.2)


ハ ー モ ニ ー

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■ ネ タ バ レ ■

小説『ハーモニー』伊藤計劃 著 

独断と偏見による感想

 

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Version=0.23 2021-10-22(初稿:2021-10-21)   書きかけです。スイマセン m(__)m。 逐次改稿予定です。 

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地上に天国を造るには「意識=魂」を消すしかない。

 


  【 ハーモニー: 目 次 】 
  1.概説

   2.「意識」の消し方(近日公開予定)
  3.設定の考察(近日公開予定)
   4.伊藤計劃が敗北から立ち直り4冊目の長編小説を書いたら(近日公開予定)
   5.登場人物編(近日公開予定)

 

■ ネ タ バ レ ■

第 1 章 : 概 説

「我思う故に我あり」


精神、現象的意識、クオリア、内的経験、魂、私、なんと呼ぼうとこれほど確実なものはない筈です。
それを消すことができるとは!。「意識」って何なの?。という大転回を突き付けた小説です。

 

伊藤計劃は、マイケル・S・ガザニガの、意識は脳のインタープリターモジュールが生成するとする説の元になった、分離脳患者の鶏と雪とシャベルの話についてふれています。(伊藤計劃記録  単行本 87頁 From the Nothing With Love)。

 

ガザニガの説については「 Youtube 哲学チャンネル 脳と自由意志#8 ガザニガ」 で、とても分かりやすく解説されています。

 

www.youtube.com

 

伊藤計劃は、デネット等の著書をはじめ、ガザニガの『脳のなかの倫理』、ミズンの『こころの先史時代』といった認知考古学や、その他、進化心理学などの豊富な知識により、意識は進化の過程でヒトが獲得した一つの機能にすぎない。不要になりあまつさえ有害になれば取り除くべきでは。という大胆な発想です。

 

『ハーモニー』の世界は、全体主義を裏返した地獄です。


全体主義は、国家の為に個人は死ぬ事を要求されます。そこにある種の一体感を喜びとして感じる人もいます。「靖国で会おう」とか。


ハーモニーの世界では、個人は国(社会)のリソースであり、ひたすら健康に生き続けることを要求されます。あらゆる不健康と言われることが禁止され、個人の主体性を殺して、他人に対してどこまでも穏やかで寛容であることが要求されます。

その世界に適応できない資質をもった子供たちは相次いで自殺を選択するしかない世界です。

 

どの位うざい社会かというと、決して高圧的ではなくあくまでも親切丁寧を装って「そういう言葉や感情は礼を失する恐れがあります」と、一挙一投足から体内の神経活動や生理物質の活性度に至るまで、事細かにモニターしながら、あくまでも優しく、おしつけがましくないように、脳内に囁きかけてくるといううざさです。 オーグ(拡張現実機器)のコンタクトレンズが捉えた映像をサーバーに送信して、トイレの中に至るまで個人の全てが記録される世界。


「プライバシー」はいかがわしい事を意味する世界。プライバシーは男女の性行為にのみ認められる世界です。

 

個人の主体性を殺すのは同じでも、国の為に戦い死ぬのと、国(社会)の為に生きることだけを強制されるのでは、どちらが幸せなんでしょう。


人類は、この両極端の世界した造れないのでしょうか。

 

 

小説『ハーモニー』は、Youtube の哲学チャンネルでも紹介されています。


【ハーモニー|伊藤計劃】についてダラダラしゃべりたい

 

www.youtube.com

 

 

第 2 章 : 意識の消し方(近日公開予定) 

書きかけです。スイマセン。逐次改稿予定です  m(__)m 。

 

なにか、コメント頂けると嬉しいです。

 

ー 了 ー

 

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